英語がとっさに出てこない5つの原因と対処法|その場でしのぐ方法と根本的な直し方

会議で意見を求められた瞬間、頭が真っ白になる。
言いたいことははっきりあるのに、英語が口から出てこない。
沈黙が数秒続いて、結局 I agree. とだけ言って終わる。
外資系企業に入った頃の筆者です。当時TOEICは900点を超えていました。
何年もかけて分かったことがあります。とっさに出てこないのは、単純に英語力が足りないからではありません。
原因はいくつかに分かれていて、それぞれ対処法が違います。ここを切り分けないまま、やみくもに単語や文法を増やしても、この症状はなかなか消えません。
今回は、とっさに英語が出てこない原因を5つに分けて整理したうえで、その場でしのぐ方法と、根本的に直すトレーニングを紹介します。
それではまいります!
- 日本生まれ日本育ち、海外在住経験ほぼゼロ。
- 国内学習で英語力をアップ。
- 現在の英語力は外資系企業でネイティブとガンガン議論できるレベル。
- これまで長期に渡り様々な手法で英語力アップにコミットし、ときには挫折し、ときにはうまくいった経験から、読者に有益で再現性のある情報を届けたい。
- BizSprinto開発チームの一員。
知識があってもとっさには出てこない
最初に押さえておきたいのが、この症状の正体です。
とっさに英語が出てこない人の多くは、実は必要な単語も文法も知っています。
証拠に、会議が終わったあとで落ち着いて考えれば、あのとき言いたかった英文はすぐに作れるはずです。筆者も帰りの電車で何度も頭の中で作文していました。
つまり、知識はあるわけです。足りないのは、その知識を数秒以内に取り出して口に出す回路のほうです。
これは言語学習でよく言われる、知っていることと使えることのギャップですね。
だからこそ、対処法も変わってきます。新しい単語帳を1冊増やしても、このギャップはほとんど埋まりません。
では具体的に何が詰まりの原因になっているのか。筆者の経験と、周りの日本人同僚を見てきた観察から、5つに分けて整理します。
原因1|完璧な英文を作ってから話そうとしている
いちばん多いのがこれだと思います。
頭の中で文法的に正しい文を最後まで組み立ててから、口を開こうとするパターンです。
間違えたら恥ずかしい、という気持ちも働きますよね。
ただ、実際の会話でそんなことをしている人はいません。
日本語で話すときを思い出してみてください。全部の文を頭の中で完成させてから話し始めてはいないはずです。とりあえず話し始めて、話しながら文を組み立てているはずです。
英語でも同じで、話しながら組み立てるのが普通です。
完成してから話そうとすると、組み立てが終わるまでの数秒が沈黙になります。そしてその沈黙が焦りを生んで、さらに出てこなくなる。この悪循環が起きます。
多少文法が崩れても、まず話し始める。ここを崩せるかどうかが最初の分かれ目です。
原因2|話し始めるための型を持っていない
とりあえず話し始めよう、と言われても、最初の一言が出てこない。
これは出だしの型を持っていないことが原因です。
英語が話せる人は、無意識のうちに決まった入り方の引き出しを持っています。何を言うか決まっていなくても、とりあえず口を開ける言い回しですね。
筆者がよく使うものを挙げてみます。
- 意見を言う:From my perspective, … / In my view, …
- 賛成しつつ補足する:I agree, and one thing I’d add is …
- 反論する:I see your point, but … / That said, …
- 理由から入る:Since … / Given that …
- 逆説から入る:Although … / While …
大事なのは数を増やすことではありません。少数を、考えずに出てくるレベルまで持っていくことです。
出だしさえ出れば、あとは意外となんとかなります。逆に最初の一言が出ないと、発言の機会そのものを逃してしまいます。
議論が進んでいる場面では、発言するタイミングは一瞬しかありません。そこで口を開けるかどうかは、この型を持っているかで決まります。
原因3|日本語を英語に翻訳しようとしている
3つ目は、頭の中の処理経路の問題です。
まず日本語で言いたいことを完成させて、それを一語一句英語に変換しようとするパターンですね。
この経路はとにかく時間がかかります。しかも日本語特有の言い回しにぶつかると、そこで完全に止まってしまいます。
例えば、よろしくお願いしますや、お疲れさまですを英語にしようとして固まった経験、ありませんか。
英語が出てくる人は、日本語を経由していません。
言いたいことのイメージや場面が頭にあって、そこから直接英語を引っ張り出しています。
例えば、先月より20%増えているが前年同月比では10%下がっている、と伝えたいとき。
筆者の頭の中では、日本語の文を訳しているのではなく、up 20% と down 10% という数字の動きのイメージが先に浮かびます。そこから It’s up 20% from last month, but down 10% compared to the same month last year. と組み立てていきます。
この経路に切り替えるには、日本語の文を見て場面を思い浮かべ、そこから英語を出す練習を繰り返すしかありません。
原因4|声に出した回数が足りていない
これは見落とされがちですが、かなり根深い原因です。
表現を知っているのに、いざ言おうとすると舌が回らない。つっかえる。
筆者はこれを何度も経験しました。頭では分かっているのに、口が動かないのです。
原因はシンプルで、その表現を実際に声に出した回数が足りていないからです。
感覚としては歌の歌詞に近いです。何度も歌った曲は、前のフレーズに続いて次の言葉が勝手に出てきますよね。黙読しただけの歌詞では、そうはなりません。
英語も同じで、口を動かした回数だけ、次の言葉が自動的に出てくるようになります。
参考書を黙読するだけの学習を続けている人は、ここが根本的なボトルネックになっている可能性があります。
原因5|そもそも相手の話を聞き取れていない
最後は、スピーキングではなくリスニングが原因のケースです。
意外と多いので、一度疑ってみる価値があります。
相手の発言を6割くらいしか拾えていないと、何を聞かれたのかの確定に脳のリソースを使ってしまいます。その結果、答えを組み立てる余裕がなくなります。
本人は話せないと思っているけれど、実は聞き取れていないだけ、というパターンですね。
見分け方は簡単です。文字起こしや議事録を後から読んだときに、そんなことを聞かれていたのかと気づくことが多いなら、リスニング側が原因の可能性が高いです。
US英語だけ聞き取れても足りません。筆者の職場ではインド、シンガポール、オーストラリア、イギリスとアクセントがバラバラで、慣れていない音は内容が簡単でも一気に聞き取れなくなります。
この場合は、話す練習よりも先に聞く力を底上げしたほうが、結果的に早く改善します。
その場でしのぐ3つの対処法
根本的な改善には時間がかかります。でも、明日の会議は待ってくれません。
そこで、今すぐ使える対処法を3つ紹介します。筆者も今でも普通に使っています。
1つ目は、時間を稼ぐ表現を用意しておくこと。
That’s a good question. や Let me think for a moment. と一言置くだけで、数秒の考える時間が手に入ります。
沈黙で数秒空くのと、こう言ってから数秒空くのとでは、相手が受ける印象がまったく違います。前者は準備不足に見えますが、後者は考えている人に見えます。
2つ目は、簡単な言い方に落とすこと。
難しい表現が出てこないなら、中学レベルの単語で言い換えてしまいます。
実現可能性が低いと言いたくて feasibility が出てこないなら、I don’t think we can do it. で十分に伝わります。
正確さより、まず伝えることを優先する。会議では圧倒的にこちらが正解です。
3つ目は、聞き返してしまうこと。
Just to make sure, are you asking about …? と確認すると、時間が稼げるうえに、質問の理解も確実になります。
聞き返すのは失礼だと思いがちですが、むしろ丁寧に受け止めている印象になります。ネイティブ同士でも普通にやっていることです。
根本的に直すなら、瞬間英作文が最短ルート
その場しのぎの次は、根本的な改善の話です。
ここまで挙げた原因のうち、1から4はすべて同じトレーニングで改善できます。瞬間英作文です。
日本語の文を見て場面を想像し、できるだけ速く英語で声に出す。それだけのトレーニングですが、この症状に対しては直接的に効きます。
なぜ効くのかというと、原因のそれぞれに対応しているからです。
- 制限時間があるので、完璧な文を作ってから話す癖が抜ける(原因1)
- 同じ型を繰り返すので、出だしのパターンが体に入る(原因2)
- 場面を想像してから英語を出すので、翻訳経路から抜けられる(原因3)
- 必ず声に出すので、舌が回るようになる(原因4)
1つの練習で4つの原因に同時に効くので、最短ルートだと感じています。
取り組むときのコツは2つです。
まず、必ず時間制限を設けること。制限がないと、結局じっくり考えてから話す練習になってしまい、意味がありません。
そして、必ず声に出すこと。黙ってやると原因4が解消されません。
筆者の実感では、毎日10分でも3ヶ月ほど続けると、会議で詰まる回数がはっきり減ってきます。
なお原因5、つまり聞き取れていないことが主因の場合は、筆者はシャドーイングがよかったです。多様なアクセントの音声で、意味を理解しながら追いかける練習が効きます。
とっさに出てくる状態を作るなら、BizSprinto One
最後に、筆者のチームが開発しているアプリを紹介させてください。
BizSprinto Oneは、ニュース音読・瞬間英作文・速読・シャドーイング・英単語学習をまとめた、ビジネスパーソン向けのオールインワン英語学習アプリです。
← 横にスライドして、他の画面もチェックできます →
瞬間英作文のモジュールは、日本語のお題が出てから7秒以内に答える形式です。
この7秒という制限が、完璧な文を作ってから話す癖を強制的に外してくれます。とっさに出てこない症状に対しては、この負荷がそのまま処方箋になります。
収録している例文は会議・プレゼン・交渉・メール対応など実務の場面に特化していて、2,000以上あります。練習した表現がそのまま明日の会議で使えます。
音声録音機能があるので、自分の発話を聞き返して、どこでつっかえているかも確認できます。
原因5に心当たりがある方は、シャドーイングのモジュールも使ってみてください。US・UK・インドなど多様なアクセントに対応しているので、聞き取れる音の幅を広げられます。
気乗りしない日は、ニュース音読から入るのもおすすめです。声に出す量を確保しつつ、そのまま瞬間英作文につなげやすくなります。
複数のアプリを別々に契約すると、月々の課金がかさみますしユーザー登録も面倒ですが、BizSprinto Oneはユーザー登録不要、月額1,980円ですべてのコンテンツ・機能が使い放題です。
無料の状態でも一部のコンテンツをお試しいただけます。会員登録も不要なので、ダウンロードしたらすぐに始められます。
ぜひダウンロードしてみてください!
まとめ
とっさに英語が出てこないのは、英語力が足りないからではありません。
知識を数秒で取り出す回路ができていないだけです。
まずは自分がどの原因に当てはまるかを切り分けてみてください。完璧主義なのか、型がないのか、翻訳しているのか、声に出していないのか、そもそも聞き取れていないのか。
そのうえで、明日の会議は時間稼ぎの表現でしのぎつつ、根本的には瞬間英作文を積み上げていく。この二段構えが現実的だと思います。
筆者も、最初は I agree. しか言えませんでした。
それが今では、各国のメンバーと普通に議論できるようになっています。特別な才能があったわけではなく、毎日少しずつ口を動かしてきただけです。
数秒の沈黙に悩んでいる方の、参考になれば嬉しいです。
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